平成27年改正廃棄物処理法施行令等について
廃棄物処理法施行令等の改正概要について
平成27年11月11日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」が公布されました。
平成27年12月21日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」等が公布されました。
廃水銀およびその化合物(以下「廃水銀等」という。)およびその処理物を特別管理産業廃棄物への指定、その収集運搬に係る処理基準、保管基準については、平成28年4月1日から施行されます。
ここでは、改正の概要について、お知らせいたします。
注:平成29年6月9日に公布された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」等で改正された事項を追記・修正(下線部)しています。追記・修正事項は、平成29年10月1日から施行されます。
特別管理産業廃棄物への指定
次の1から3に該当する廃水銀等およびその処理物が新たに特別管理産業廃棄物に指定されました。
- 特定の施設において生じた廃水銀等(水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀等を除く。)
次表の施設において生じた廃水銀等であって、水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀等を除くものが該当します。
番号 | 特定の施設 |
---|---|
1 | 水銀若しくはその化合物が含まれている物または水銀使用製品廃棄物から水銀を回収する施設 |
2 | 水銀使用製品の製造の用に供する施設 |
3 | 灯台の回転装置が備え付けられた施設 |
4 | 水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品を除く。)を有する施設 |
5 | 国または地方公共団体の試験研究機関 |
6 | 大学およびその附属試験研究機関 |
7 | 学術研究または製品の製造若しくは技術の改良、考察若しくは発明に係る試験研究を行う研究所 |
8 | 農業、水産または工業に関する学科を含む専門教育を行う高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校、職員訓練施設または職業訓練施設 |
9 | 保健所 |
10 | 検疫所 |
11 | 動物検疫所 |
12 | 植物防疫所 |
13 | 家畜保健衛生所 |
14 | 検査業に属する施設 |
15 | 商品検査業に属する施設 |
16 | 臨床検査業に属する施設 |
17 | 犯罪鑑識施設 |
なお、表中第1号に掲げる施設において生じた廃水銀等とは、例えば、回収した時点で廃棄物として取り扱われていなかった水銀が水銀需要の低下等により廃棄物となったものを想定しています。
表中第4号に掲げる水銀を媒体とする測定機器とは、水銀が使用されている備え付けのポロシメーター等を想定しており、水銀温度計等の水銀使用製品である測定機器は該当しません。
表中第5号から第17号までに掲げる施設において生じた廃水銀等は、廃試薬等を想定します。
ただし、その他の廃水銀等(水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀等を除く。)についても、表に掲げる施設において生じた場合にはすべて特別管理産業廃棄物に該当します。
- 水銀若しくはその化合物が含まれている物(一般廃棄物を除く。)または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀
水銀等を含む汚泥等の産業廃棄物、水銀等を含む排ガス若しくは有価物または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから廃棄物処理施設等で回収した廃水銀が該当します。なお、水銀使用製品の破損により漏洩した廃水銀は該当しません。 - 廃水銀等を処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
上記1または2に該当する廃水銀等を処分するために処理したものであって、環境省令で定める基準に適合しないものは特別管理産業廃棄物に該当します。
環境省令で定める基準は、水銀の精製設備を用いて行われる精製に伴って生じた残さです。
具体的には、例えば、廃水銀等を硫化および固形化したものは特別管理産業廃棄物に該当し、廃水銀化合物をばい焼および固化したものは特別管理産業廃棄物に該当し、廃水銀化合物をばい焼施設等により精製した際に生じた残さは特別管理産業廃棄物に該当しません。
特別管理産業廃棄物の収集運搬に係る処理基準および保管基準の追加
- 収集運搬に係る処理基準
- 特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等について、廃棄物の飛散流出防止等の特別管理産業廃棄物の一般的な収集運搬に係る処理基準に加え、常温で液体であり、揮発するという水銀の特性に鑑み、以下の基準を設けることになりました。
- 運搬容器に収納して収集し、または運搬すること。
- 運搬容器は、密閉できることその他の構造(収納しやすいことおよび損傷しにくいこと)を有するものであること。
- 特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等の積替えまたは保管に当たっては、特別管理産業廃棄物の一般的な積替えまたは保管基準に加え、常温で液体であり、揮発するという水銀の特性に鑑み、以下の基準を加えることになりました。
- 容器にいれて密封することその他の当該廃棄物の飛散、流出または揮発の防止のため必要な措置を講ずること。
- 高温にさらされないために必要な措置を講ずること。
- 腐食の防止のために必要な措置を講ずること。
- 特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等について、廃棄物の飛散流出防止等の特別管理産業廃棄物の一般的な収集運搬に係る処理基準に加え、常温で液体であり、揮発するという水銀の特性に鑑み、以下の基準を設けることになりました。
- 事業場の保管場所における特別管理産業廃棄物の保管基準
特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等を排出する事業場において、当該廃棄物が運搬されるまでの間に保管を行う場合には、廃棄物の飛散流出防止等の特別管理産業廃棄物の一般的な保管基準に加え、上記1の2の1から3の基準を設けることになりました。
その他
- 特別管理産業廃棄物処理業の許可について
現に産業廃棄物処理業または特別管理産業廃棄物処理業の許可を有している者が、新たに特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等またはその処理物を施行期日以降に処理しようとする場合には、特別管理産業廃棄物の許可または事業範囲の変更の許可が必要となります。 - 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置について
廃水銀等およびその処理物が特別管理産業廃棄物に指定されたことにより新たに特別管理産業廃棄物を生じることとなった事業場を設置している事業者は、当該特別管理産業廃棄物に関する業務を適切に行わせるため、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任しなければなりません。 - 特別管理産業廃棄物である廃水銀等に該当しないものについて
新たに指定された特別管理産業廃棄物に該当しない廃水銀等の収集運搬および保管に当たっては、現行の処理基準が適用されますが、特別管理産業廃棄物である廃水銀等に準じ、生活環境保全上適正に扱って下さい。
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